「家族4人で住むから4LDKが絶対条件」と探している中で、魅力的な物件を見つけた。
しかし、売主のパンフレットには「4LDK」とあるのに、
仲介会社の資料を見ると「1LDK+3S」や「2LDK+2N」と書かれている……。
「これって4LDKじゃないの?」「何か騙されている?」と不安になるのは当然です。
自称〇〇設計士を謳う売主や、デザイン性を重視する建売住宅でよく見られるこの現象。
後悔しないために知っておくべき「表記の裏側」と、購入の判断基準の続編。
1. なぜパンフレットと仲介資料で「間取り図」が違うのか?
結論から言うと、建築基準法上の「居室(部屋)」として認められる基準をクリアしていないから。
「LDK」と「S(サービスルーム)/ N(納戸)」の違い
建築基準法では、
長く過ごす「居室」には床面積に対して一定以上の「採光(窓の大きさ)」と「換気」が必要。
「S」や「N」になる理由
隣地との距離が近かったり、北向きの部屋で窓が小さかったりすると「光が足りない」と判定されます。
特に大きな家を小さく分割して建てられた新築の家と家の間が狭すぎて人が通れない物件ありますよね!!
その場合、どれだけ立派な部屋でも「居室」と呼べず、
資料には「納戸(N)」や「サービスルーム(S)」と記載しなければなりません。
売主のパンフレットは「使い方提案」として4LDKと呼び、仲介会社は「法的リスクを避けるため」に正確な図面表記(1LDK+3Sなど)を使うというズレが生じるのです。
2. 「納戸(S/N)」がある物件を購入して後悔しないための3つのチェックポイント
「納戸=物置」とは限りません。実際には普通の部屋として使えるケースも多いですが、
以下の点は必ず確認してください。
① コンセント・エアコン・TV端子があるか?
本来「納戸」は物置扱いです。
コストカット優先の売主は、エアコン用のコンセントや配管穴、テレビ端子を設置していないことあり。
後から設置しようとすると、外壁に穴を開ける追加工事が必要になり、数十万円の出費になることも。
もし、配管穴があっても最近の高機能エアコンが設置できない小さなサイズの穴なら撤去費用も必要。
② 携帯電話の電波と「冬の寒さ」
窓が小さい、あるいは隣家と密接しているということは、光が入らないだけでなく電波が入りにくい、あるいは日中も異様に寒い可能性があります。
内覧時は必ず「すべての部屋でスマホの電波が入るか」「昼間の明るさは許容範囲か」を確認しましょう。
③ 資産価値(売却時)への影響
「4LDK」として買ったつもりでも、将来の売却時査定は「〇LDK+○納戸(物置)」としての扱いです。
周辺の「本物の4LDK」に比べて、売却価格が伸び悩むリスクがあることは覚悟しておくべきです。
3. その物件、購入すべき?それとも避けるべき?
この判断基準は、売主の「姿勢」にあります。
✅ 購入を前向きに考えて良いケース
窓の大きさ以外のスペック(断熱性能、耐震等級、構造)がしっかりしている。
「採光不足」を逆手に取って、シアタールームや寝室として落ち着く設計がなされている。
実質4LDKとして使える設備(エアコン設置可など)が整っている。
❌ 購入を避けるべき、または要注意なケース
「自称〇〇設計士」によるデザイン先行の家
見た目は良くても、生活動線や換気効率が無視されていることが多い。
説明が不透明
「実質4LDKですから大丈夫ですよ」だけで法的制限やデメリットを説明しない担当者は信用すべきでない。
換気システムが貧弱
窓が小さい部屋は湿気が溜まりやすく、カビの原因になります。
4. 換気システムが貧弱な場合の深堀
ダクトレス全館空調・第一種換気と謳われた建売見学時、各部屋のドアを開けっ放しにしないと空気が流れないようにかんじたのは「気のせい」と疑問を持つ場合があります。
結論から申し上げますと、それは「気のせい」ではなく、非常に鋭く正しい直感です。
「第一種換気(機械給気+機械排気)」や「全館空調」を謳っていても、建売住宅の場合は「空気が流れる経路(空気道)」が適切に設計されていないケースが多々あります。
なぜドアを閉めると空気が流れないと感じるのか、その裏側にある「建売の限界」を解説。
5. 「ドアの下」に隙間(アンダーカット)はありますか?
通常、ドアを閉めた状態でも換気させるため、ドア下に1〜1.5cm程度の隙間(アンダーカット)が必要です。
問題点
建売住宅で「自称〇〇設計士」がデザインを優先しすぎると、見た目の高級感や遮音性を求めてアンダーカットを小さくしたり、逆に隙間を埋めるエアタイト材を過剰に使ったりすることがあります。
結果
空気の出入口が塞がるため、どれだけ高性能な換気扇が回っていても、部屋の中の空気は「押し出される場所」がなくなり、よどんでしまいます。
6. 「ショートサーキット」が起きている可能性
第一種換気でよくある失敗が、「給気口」と「排気口」が近すぎるケースです。
建売の落とし穴
本来、部屋の隅(窓側)から新鮮な空気を入れ、反対側のドア下から空気が抜けていくのが理想です。
現実
ダクト工事のコストを抑えるために、ドアのすぐ近くに給排気口をまとめて配置してしまうことあり。
すると空気は部屋の奥まで届かず最短距離で入れ替わるだけで奥は空気が動かない「溜まり」ができます。
7. ダクトレス全館空調の「理想と現実」
「ダクトレス」は一見メリットに聞こえますが、実は各部屋の空気循環を確保するのが難しいシステム。
壁掛けファン頼み
ダクトレスの場合、壁に設置された小さなファンだけで空気を動かします。
しかし、このパワーは非常に弱いため、ドアを閉めた瞬間に空気の抵抗(圧損)に負けてしまい、
実質的に換気がストップしてしまうことが珍しくありません。
「開けっ放し前提」の設計
ぶっちゃけた話をすれば、多くの建売メーカーは「全館空調」という付加価値を付けたいだけで、
「ドアを開けっ放しにしないと機能しない」という前提条件を伏せて販売していることが多々あります。
8. チェックすべき「音」と「ティッシュ」
見学時に「気のせいかな?」と思ったら、以下の2つを試してみてください。
ティッシュを当てる
ドアを閉めた状態で、ドア下の隙間にティッシュをかざしてみてください。
吸い込まれるような動きがなければ、その部屋の空気は死んでいます。
ドアが重くなる
換気扇を回した状態でドアを閉めようとした際、妙な抵抗を感じたり、閉まる直前に「ヒュー」という隙間風の音がしたりする場合、それは完全に「排気と給気のバランスが崩壊している」証拠です。
購入検討者へのアドバイス
「第一種換気だから安心」は間違いです。
特に「S(納戸)」扱いになる部屋は、窓が小さかったりして日当たりが悪いため、換気が不十分だと真っ先にクローゼットや壁紙にカビが発生します。
「ドアを閉めた状態で、どうやって空気が入れ替わる設計になっているのか?」 この質問に対して、営業担当者が図面を見せながら「ここから入ってここから抜けます」と即答できない物件は、見えない部分の設計(居住性)が軽視されている可能性が高いと言えるでしょう。
結論:大切なのは「表記」ではなく「居住性」
「1LDK+3S」という表記自体が悪いわけではありません。
都市部の狭小地では、工夫して部屋数を確保するために避けられない手法でもあります。
しかし「4LDKとして売りたい売主都合」と「法的な現実」のギャップを隠そうとする姿勢が見えるなら、
その物件は見送るのが賢明です。
一生に一度の買い物です。
図面の文字に惑わされず、現地で「この部屋で子供が健康に過ごせるか?」をチェックしてください。
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