「金利上昇のニュースをよく目にするけれど、今から借りるなら変動金利と固定金利のどちらが得なのだろう?」
マイホーム購入をご検討中の方から、このようなご相談を多くいただきます。
特に2026年に入り金利トレンドへの関心が高まる中、損をしないための判断基準を持っておくことが不可欠です。
この記事では、2026年7月現在の金利基準(変動1.045%/全期間固定3.87%)をもとに、具体的に「変動金利がどこまで上昇すると固定金利の総支払額を超えるのか」をシミュレーション検証します。
はじめに、借入額3,500万円・元利均等返済・ボーナス返済なしの条件で試算した結果の概要です。
全期間固定金利(3.87%)の総返済額:約6,170万円(毎月返済:約14.7万円)
変動金利(1.045%スタート)の当初総返済額:約4,180万円(毎月返済:約9.9万円)
差額(変動金利の当初アドバンテージ):約1,990万円
【いくらまで上昇すると総支払額が逆転するか?】
変動金利が「5年ごとの見直し(1.25倍ルール適用)」の上限まで上がり続けた場合、返済開始から11年目(3回目の見直し時点)に金利が約3.90%を超え、さらに終盤にかけて上昇し続けるような極端なシナリオにならない限り、変動金利の総支払額が全期間固定金利を超えることはありません。
つまり、「返済期間の前半で急速かつ連続的に金利が跳ね上がらない限り、当初の低金利によるアドバンテージ(約2,000万円差)を埋めきることは困難」という構造になっています。
住宅ローンの変動金利には、多くの金融機関で「5年ルール(5年間は返済額を一定に保つ)」と「1.25倍ルール(改定後の返済額は従前の1.25倍を上限とする)」が適用されます。
この「1.25倍上限」のルールのもとで、5年ごとに上限いっぱいまで金利が上昇したと仮定した限界シナリオの比較です。
パターンA:全期間固定金利 3.87%
毎月返済額:146,903円(35年間一定)
総返済額:約6,170万円
パターンB:変動金利 1.045%(5年ごとに1.25倍上限まで上昇)
1~5年目(金利 1.045%):毎月約9.9万円
6~10年目(金利約 1.306%):毎月約12.4万円(1.25倍)
11~15年目(金利約 1.633%):毎月約15.5万円(1.25倍)
16年目以降:さらなる金利引き上げ
| 比較項目 | 全期間固定(3.87%) | 変動(1.045%〜スタート) |
| 毎月返済額(当初) | 約14.7万円 | 約9.9万円 |
| 毎月返済額(11年目〜) | 約14.7万円 | 約15.5万円 |
| 当初5年間の差額 | — | 年間約57万円(5年で約285万円)浮く |
| 総支払額の逆転ライン | 基準線(約6,170万円) | 10年以内に4%近くまで急激上昇した場合のみ |
住宅ローンの利息は「その時点の残高」に対して発生します。
返済前半(特に最初の10年間)はローン残高が大きいため、当初の金利(1.045%と3.87%)の開き(約2.825%差)によって生じる毎月の返済額差(約4.8万円)がそのまま元金減算のペースに大きく寄与します。
前半に元金を大きく減らせているため、後半に金利が上昇しても利息が乗るベースの残高自体が小さくなっており、結果として全体の総支払額では変動金利が有利になりやすい構造となっています。
本記事は、定められた条件に基づいた試算であるため、条件が異なれば結論内容が異なります。
実際の借入条件と比較のうえ、お客様ご自身でのご判断が必要となります。
住宅ローン申込時に条件をご確認頂き、借り入れ契約時に慎重にご判断ください。
変動金利を選ぶ最大のメリットは、当初の毎月返済額を抑えられる点です。
変動向きの方
浮いた月々約4.8万円を無駄遣いせず、教育費の確保や資産運用、将来の繰り上げ返済用として貯蓄できる方。
固定向きの方
毎月の住居費を完全に確定させ、家計管理の不確定要素をなくしたい方。
住宅ローンの金利選択は、単純な数字の比較だけでなく、ご家族の年収推移、お子様の教育時期、将来のライフプランと密接に関わっています。
弊社では、地域の土地特性や建物性能(高気密・高断熱住宅による将来の光熱費削減効果など)を踏まえたうえで、無理のない資金計画のご提案を行っております。
金利の選択やローン審査に不安をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。